チョコレートの製造過程について

チョコレートの製造過程について

今や手軽に食べられるのが当たり前になったチョコレート。特別な日には贈り物としての高級チョコも注目を浴びています。しかし私達の手元に届けられるまでには職人による多くの作業が不可欠になるうえ、カカオ豆一粒からとれるチョコレートの原料はほんのわずかで、とても貴重な食べ物でもあります。今回は年々需要が増加するチョコレートがどんな過程を経て作られているのかご紹介します。

 

チョコレートの製造過程

私達が普段美味しく食べているチョコレートは、多くの工程を経て作られています。チョコレートのもととなるカカオは熱帯気候の地域のみで育つ貴重な原料。このカカオの収穫からチョコレートになるまでには長い時間と手間がかかります。あなたもチョコレートの製造過程を知ることで今後はより一層美味しく感じることができるのではないでしょうか。それでは、これから一つずつ作業を見ていきましょう。

 

カカオ豆を取り出す

カカオポッドと呼ばれるラグビーボールのような実の中には白い果肉(パルプ)に包まれた房があります。ひとつのポッドには20~40粒のカカオ豆が入っていますので、まず実(カカオポッド)から取り出す作業を行います。

 

豆を発酵・乾燥させる

チョコレートの原料を生成するには、カカオ豆を発酵し成分を変化させる必要があります。バナナの葉が手に入りやすい西アフリカなどの地域では、これを利用しカカオ豆を覆うことで発酵が可能になります。他には木箱を使って自然発酵を促す方法もあります。どちらも発酵に一週間程度かかり、その後は水分を減少させるために天日乾燥させます。乾燥が完了すると私達が見たことのあるチョコレート色の豆に変わります。

 

豆の異物を除去し、焙煎する

ここまでの工程を終えると次は異物の除去作業。カカオ豆の中にはカカオポッドのかけらやゴミなどが多く含まれていますのでこれらを丁寧に除去、洗浄します。

 

次に焙煎の作業です。私達が普段口にするチョコレートの味と香りを充分に引き出すために焙煎は非常に重要な工程。まず、カカオ豆を円い筒状の機械に投入し回転させながらガスで加熱を行います。豆を炒ることでさらに乾燥させることができるため殻がはがれやすくなります。

 

粉砕し、ブレンドする

まだ殻が付いているカカオ豆は粗く砕くことにより、きれいにはがすことができるようになります。粉砕することで殻と豆の中身であるカカオニブに分けられます。このカカオニブこそが実際のチョコレートの原料として使われます。

 

チョコレートは一か所の原産地から採れたカカオ豆からでも作ることは可能です。しかし、ここで原産地の異なる数種類のカカオニブをブレンドすることでより美味しいチョコレートになります。個性的な食べやすい味を生み出すためにはシェフの手によるにブレンドの工程は欠かせません。

 

摩砕する

粒状のカカオニブをペースト状にするために摩砕をします。カカオニブの約半分はカカオバターと呼ばれる豆に含まれる油分でできています。細かくすりつぶすことでカカオバターが溶け出し滑らかなペースト状に変化します。この時にチョコレートに必要な砂糖やミルクなどの原材料も同時に加えられます。

 

コンチングする

コンチングとはより滑らかなチョコレートに近づけるために練りこんでいく最終工程。余分な水分を減らすことで、風味豊かな香りを引き出すために重要な作業となります。

 

テンパリングする

ペースト状になったチョコレートはかき混ぜながら温度調整を行い、カカオバターの結晶を安定させます。このテンパリングと呼ばれる工程を丁寧に行わないと、ざらつきや見た目の悪い仕上がりになってしまう原因に。きれいなチョコレートを作るためには手を抜けない作業のひとつです。

 

成型して完成

型の中にチョコレートを流し込み、冷却して固まると美味しいチョコレートの完成です。

 

チョコレート作りで大切なテンパリング

チョコレートを作る段階でテンパリング(温度調整)は最も重要な工程になります。先程も少しご紹介しましたが、テンパリングをしないとチョコレートに含まれるカカオバターの結晶が不安定になります。その結果、風味が落ちるのはもちろんのこと、チョコレート本来のきれいな光沢が出なかったり、口どけが悪くなってしまったりします。

 

カカオバターの結晶は一度温度を約50℃まで上げて完全に溶かしてしまいます。今度はかき混ぜながら27℃まで下げ、結晶が一番安定しやすい32℃を保ちながら作業を行います。テンパリングにおいて温度は命といえるため、作業を行う部屋の室温にも気を遣う必要があります。基本的に室温は15℃前後で湿度55%を保つのが秘訣。また、水分の混入はチョコレートに含まれる砂糖が溶け出す原因となるため厳禁です。

 

テンパリングはとても繊細な作業で、プロの手腕が最も試される場面でもあります。

 

美味しいチョコレートならマ・プリエール

チョコレートの原料となるカカオは原産地によって味や風味が全く異なります。製造過程においてブレンドや味付けなどの工程を丁寧に行うことで、バラエティ豊かなチョコレートを生み出すことができます。もし、美味しいチョコレートをお探しなら、マ・プリエールの味を是非ご堪能ください。

 

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